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Toggle「なんで私だけ、こんなに汗をかくんだろう?」
✔️ 緊張すると手がびっしょり
✔️ 寒いのにワキ汗が止まらない
✔️ 人に触れたくても手汗が気になって握手できない
そんな悩みを抱えている方が比較的多いです。
もしかしたら、しれは単なる「汗かき体質」ではないかもしれません。
そこには、自律神経のなかでも、とくに交感神経の過剰な働きが隠れている可能性があります。
今回は、そんな症状について分かりやすくお話させて頂きます。
多汗症とは?「汗をかくべきでない場面」で起こる異常反応
私たちは通常、運動をしたときや気温が高いときに汗をかきます。
これは、自分で体温を下げて命を守るための自然な反応となります。
しかし、多汗症では、
✔️ 気温が高くなくても
✔️ 動いていなくても
✔️ 人前に出るだけで
手のひらや足の裏、脇、顔などから大量の汗が出てしまいます。
このように、「生理的には必要ない場面」で発汗が起こる状態が「多汗症」です。医学的には以下の2つに分類されます。
- 全身性多汗症:体全体から汗が出る。内分泌異常や感染症、薬剤の副作用などが原因の場合もある。
- 局所性多汗症:手のひら・足裏・ワキなど、特定部位に限定された異常発汗。多くは“原発性(原因不明)”とされている。
そして特に手汗で悩む多くの方は、「原発性局所性多汗症」に当てはまるのです。
なぜ交感神経が「汗をかけ」と命令するのか?
ここで少し神経の話をしよう。
汗腺の働きは、交感神経によって制御されています。
この交感神経は、危険・緊張・ストレスに対して、体を「戦闘モード」に切り替える役割を担っており、以下のような反応を引き起こします。
- 瞳孔が開く
- 心拍数が上がる
- 血圧が上がる
- 筋肉が緊張する
- 汗腺が刺激され、発汗する
つまり、あなたの手汗は「今、危険が迫っている!」という“脳の誤認”によって生じているのです。
実際には、危険でもなんでもないのに、あなたの神経は“戦闘状態”に入ってしまっている状況になります。
カイロプラクティックから見る「手汗」の正体
では、なぜこのような誤作動が起こるのか?
それは、脳と体をつなぐ神経ネットワークが乱れているからです。
特に、脳幹(のうかん)から脊髄、そして交感神経へとつながるラインに「サブラクセーション(神経の誤作動)」があると、外部環境を適切に認識できなくなり“常に危険がある”と誤解したまま汗をかく状態が続いてしまうことがあります。
なので、この神経系の誤作動に着目し、
- 感覚入力の再調整
- 神経伝達の正常化
- 脳と体の情報ルートの回復
といった、神経系そのものへのアプローチを行う事が重要になります。
なぜ薬では根本的に治らないのか?
一般的に病院では「抗コリン薬(アセチルコリンの働きを抑える薬)」が処方されることがあります。
確かに、一時的には汗は止まります。
しかし、これらは神経系の誤作動に対して「蓋をする」だけの対症療法。
例えば
- プレゼンで毎回手汗が止まらない
- デート前になると緊張で脇汗が出る
こうした【脳の反応癖】が変わらない限り、薬をやめたら再発するのがほとんどです。
脳と神経を整え、「正しい汗」に戻す方法
人間の体は、本来“適切なときに必要な量だけ汗をかく”ようにできています。
その仕組みを支えているのが自律神経系の機能となります。
当院では、次のようなアプローチを重視しています
✅ 1. 体のセンサーをリセットする
過去のストレスや外傷によって、「危険」を誤って認識している神経系をリセット。
視覚・聴覚・体性感覚(触覚・筋肉感覚)を使って、脳に“安全だよ”と伝える。
✅ 2. 脊柱からの神経伝達を回復する
脊柱のゆがみや硬直が神経伝達を妨げている場合、それを調整。
特に**胸椎上部(T2~T4)**は手の汗腺を支配する交感神経節と関係が深く、ここを整えると発汗反応が変わりやすい。
✅ 3. 副交感神経優位な状態を作る
施術だけでなく、呼吸・視線・足の使い方などを通じて、
“安心モード”である副交感神経(ふくこうかんしんけい/parasympathetic nervous system)を優位に導く。
※補足:認知行動療法
手汗の背景には「緊張してはいけない」という思い込みや、特定の場面に対する不安が根づいている場合もあります。
施術以外で必要だと思われる場合は、専門家の下で認知行動療法をおこない、思考パターンを見直すアプローチも良いと思います。
多汗症は「敵」ではなく「サイン」
多汗症という現象は、交感神経が暴走してと体が教えてくれている、大切なサインとなります。
薬を一時的に服用することもだいじだと考えます。
しかし、体と神経の声を聞き、本来あるべきバランスを取り戻していくこと。
これが、「根本改善」の道となり重要だと感じます。
最後に:汗に支配される人生から、自由になろう
汗の悩みは、見えにくい部分なだけに、理解が得られず苦しいとおもいます。
しかし、お身体の調整をすることで「神経の機能を正す」ことは非常に大事な事です。
そして、神経が変われば、反応も変わる。
このような症状でお困りの方がおられましたら、一度ご相談ください。
カイロプラクティックについて細かく知りたい方はこちらのコラムをどうぞ→【カイロプラクティックとは】