今回はポリヴェーガル理論についてお話させて頂きます。
テーマの通り迷走神経のもう一つの役割と言われておりますが、あまりピンとこない方が多いと思います。
なので今回は分かりやすく内容をまとめて説明させて頂きます。
Table of Contents
Toggle①迷走神経とは何か?
迷走神経は、自律神経系の一部であり、体内のさまざまな重要な機能を調整する役割を果たします。簡単に言うと、迷走神経は以下の役割を持っています:
- 内臓器官の調整: 迷走神経は心臓、肺、消化器官などの内臓器官の活動を調節します。例えば、心拍数や呼吸率を調整し、食事の消化を助けたり、体温を制御したりします。
- 適切な反応を促進: ストレスやリラックス、安静などの状態に応じて、迷走神経は体の反応を調整します。たとえば、緊張時には心拍数を上げ、リラックス時には心拍数を下げる役割を果たします。
- 腸と脳の通信: 迷走神経は腸と脳の間で情報を伝達し、腸の動きや感覚を脳に伝える重要な経路としても機能します。この通信は胃腸の健康と脳の機能に影響を与えます。
簡単に言えば、迷走神経は体内のさまざまなプロセスを調整し、体が正常に機能するために重要な役割を果たす神経です。
②ポリヴェーガル理論とは何か?
ポリヴェーガル理論は、自律神経系と感情、行動、身体の健康との関連性を説明する理論です。この理論は、自律神経系の理解から始まります。自律神経系は交感神経と副交感神経から成り立っており、身体の機能を調整します。交感神経は「戦闘または逃走」モードを活性化し、副交感神経は「リラックス」モードを活性化します。
③腹側と背側について
ポリヴェーガル理論では、自律神経系を腹側・背側の2つの枝に細分化します。腹側は社交的な行動やリラックスに関与し、背側は防御的な反応やストレス応答に関与します。引きこもりやすくなったり現実との乖離症状が起きる場合は、この背側が過活性している可能性があります。そしてこれらの枝が適切にバランスされることが、心身の健康に重要です。
④: ポリヴェーガル理論と感情
ポリヴェーガル理論は、感情と自律神経系の関連性を説明するためにも使用されます。感情は生理学的なプロセスと密接に関連しており、特定の自律神経の活性化状態に関連付けられています。たとえば、安心感や愛情はヴェンタル・ヴァガルの活性化に関連し、不安や怒りはダースル・ヴァガルの活性化に関連します。
⑤: トラウマとポリヴェーガル理論
ポリヴェーガル理論は、トラウマの理解と治療にも適用されます。トラウマ体験は自律神経系に深刻な影響を与え、ダースル・ヴァガルが支配的になりがちです。治療アプローチとして、安全な環境を提供し、ヴェンタル・ヴァガルの活性化を促進する方法がポリヴェーガル理論に基づいて開発されています。
⑥: ポリヴェーガル理論とメンタルヘルス
ポリヴェーガル理論は、メンタルヘルスの理解と向上にも役立ちます。感情の調整、ストレス管理、社交的なスキルの向上など、ヴェンタル・ヴァガルの活性化を促進するアプローチは、メンタルヘルスの向上に寄与します。また、ポリヴェーガル理論は心身一体のアプローチを提供し、メンタルヘルスのトリートメントに革命をもたらす可能性があります。
⑦ポリヴェーガル理論の治療への応用
最後に、ポリヴェーガル理論の治療への応用について考えてみましょう。この理論は教育、臨床心理学、カウンセリング、リーダーシップ開発などのさまざまな分野で使用されています。感情調整、ストレス軽減、コミュニケーションの改善、人間関係の強化など、多くの側面で人々の生活にポジティブな影響をもたらしています。治療院でのアプローチにもポリヴェーガル理論を組み込むことは今の現代社会にとって重要だと感じます。

黄(ファン)のプロフィール
カイロプラクティック業界に携わり14年目になります。
これまで名古屋のカイロプラクティック専門学校、サンフランシスコへ解剖研修留学、大阪のカイロプラクティック専門学校(現在は閉校)を卒業し国際基準であるカイロプラクティック理学士(Bachelor of Chiropractic Science)を取得。
現在も様々なセミナーを受講し続けております。
「人が良くなるとはどういうことか?」を常に追求し続けるため、そして【日本に正しいカイロプラクティック】を普及する為に地元春日井にて「イネイトカイロプラクティックオフィス」を開院。
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