今回は緊張性筋炎症候群(以下TMS)についてお話させて頂きたいと思います。
この記事はこんな方にお勧めです。
・慢性的な痛みが身体にある。
・日常生活でストレスを感じる事が多い。
・身体を良くしたい。
上記項目に当てはまる方には非常に有益な情報となっておりますので、最後まで
読んでいただければ幸いです。
このTMSというのはニューヨーク大学のジョン・サーノ博士が提唱した理論になります。
簡単に説明しますと身体の各部位においての慢性痛やその他の神経痛(坐骨神経痛など)
はすべて怒りやネガティブな感情が原因であるという事です。
過去のコラムでお話させて頂いた交感神経の過度な興奮による自律神経失調症のような状態に似ていると思いますが、日常生活の中でため込まれた怒りというものが上手く抑制が出来ていれば良いのですが、抑制しきれなくなると自律神経に影響を及ぼし、様々な症状を出してしまうという事です。
具体的にお話すると、人は過度な不安やストレスを感じると血管が収縮し血流量が著しく制限されます。
組織への血流量が一定量低下した状態になることを“虚血”と呼びます。
こうなると各組織に酸素が充分に行きわたらなくなり酸素不足になります。
これによって痛みやしびれ感、麻痺、筋力低下が引き起こされるという理論になります。
心の問題が身体に反映されることは事実として存在します。
怒りという感情は“心の問題”であり、痛みというものは“身体の問題”になります。
関係ないと思われますが、実はとても関係しているのです。
以上の事から、このコラムでは“緊張”という言葉を身体の観点からではなく、心の観点で捉えお話させていただきます。
なんでもジョン・サーノ博士によると、TMSについては大人、子供に関係なく発症する可能性があるとの事ですが、そんな中でもTMSになりやすい人の特徴があるとの事です。
特徴自体はたくさんあるのですが、まとめてお話すると以下1点になるのではないかと考えます。
「自分の感情を抑圧している人」
痛みというものはとてもデリケートであり、現在でも様々な研究の対象になっているものになります。
「主観的で決して目には見えないもの」です。
これは自律神経の問題としても説明ができます。
過度な精神的ストレスが掛かり、筋肉、靭帯、腱などの血流が低下し、その部位に痛みや機能障害が出るという事です。
補足までにTMSの関与が疑われる方のほとんどに胃腸の問題が出るという研究もあります。(胃潰瘍、胃炎、十二指腸潰瘍、過敏性腸症候群など)
心理的ストレス=痛みという考えもありますが、新たな視点での説明もできます。
それは、「痛みの役割は、隠されていた感情を表現する事ではなく、その感情が意識に浮上してくるのを防ぐことではないか?」ということです。
これは精神分析医であるスタンリー・コーエン博士の発言になります。
このような身体の反応を“防衛”と博士は呼んでおります。
つまりTMSのような症状が身体に出る際には本人の注意を、その問題が心で起きているという事からそらすために作られた痛みではないか?という事です。
したがってTMSについては“身体の痛み”ではなく、痛みは身体に出ているが実際には“心の痛み”になります。
この意見についてはあながち間違ってはいないと考えます。
気晴らしに散歩したりリラックスする時間を設けても、TMSの理論からするとそれも対処療法の一つでしかなく、ほんの一過性の慰安にすぎないのではないかと考えます。
実は似たような経験が私にもあります。
とある患者様を施術させて頂いている時のお話なのですが、その方は常日頃から何かしらの症状を訴えている方でした。
「体がだるい」、や「腰が痛い」という具合に。
見ていると本当に辛そうだったので、特に否定もせずにお話をお伺いしておりました。
するとふと思い立ったようにその方が最近経験された辛かった出来事をお話してくださいました。
なにかいつもと違う雰囲気になったので、患者様の状態を注視しながら丁寧にコミュニケーションを図っているうちにいつの間にか症状が消えていたのです。
施術はいつもどおりでしたが、いつも以上にスッキリした顔つきをされておりました。
人の身体は本当に複雑に出来ているなと改めて感じたことを覚えています。
ただ、この様な方もいらっしゃれば逆のパターンの方もたくさんいらっしゃいます。
それは“ストレス=痛み”と思っていても“サブラクセーション(歪み)=機能不全による痛み”という場合も多く存在するという事です。
先ほども少し自律神経をとりあげましたが、脊柱の機能不全により交感神経と副交感神経バランスが崩れ自律神経失調症やその他症状を発症している方が本当に多いのです。
当院ではそんな方に対して細かく問診を行い、お体全体の状態を把握し、カイロプラクティックケアを行わせていただいております。
慢性的な症状やその他お身体に関しての悩み事がございましたらお気軽にお電話いただければ幸いです。