・正座をしていると足がしびれてきた。
・変な寝相で寝ていたら腕がしびれてきた。
・なんとなく皮膚の表面がチリチリする。
誰しもがこの様な経験をしたことがあると思います。
一概に痺れと言っても原因はたくさんあり、その原因によって対処も変わってきます。
今回は痺れというものをいくつかに分けて、簡潔に掘り下げていきたいと思います。
そもそも皆さんは“痺れ”と聞いて何を想像しますか?
「ピリピリする」、「ジンジンする」、「チクチクする」など表現方法は様々であり、痺れに対する感覚も主体的なものになります。
まずは痺れの意味から説明させて頂きます。
「痺れ」
痺れとは麻痺の一種になります。
何かしらの原因で血管内の血流が滞ると、中枢神経や末梢神経に障害が起こり、力が入りにくかったり、電流を常に流されているような感覚が続くことを言います。
しかし、患者様が痺れという言葉を使う際には、感覚の鈍麻や消失、麻痺や筋力低下など様々な症状を指している可能性があります。
患者様が訴える主要な痺れは以下3つになります。
・軽い触覚
・痛覚および温度覚
・位置覚および振動覚
これらの状態が悪化すると感覚が消失したり歩行が困難になったりします。
痺れには正座をした後に出てくるような「感覚異常」、そして手足に力が入らなってしまうような「運動麻痺」があります。
これら二つの痺れは片側のみに現れたり感覚異常から運動麻痺に悪化していく場合もありますが、同時に両方が起こることもあります。
このような感覚と運動に関係している神経は様々な原因によって損傷してしまう事があり、
また脳や背骨に問題が出ている場合もあります。
痺れの原因はたくさんありますが、主要な問題として頭部、脊椎、末梢神経、内科的疾患があげられます。
では、順番にご説明させていただきます。
- 「頭部の問題」
(1)脳腫瘍
脳腫瘍とは頭蓋内にできる腫瘍の総称になります。
脳腫瘍は大きくなると身体の片側の麻痺やしびれが起きます。
それ以外の特徴としては、言葉がうまく出ないことや歩行障害、ふらつきなども出てきます。
(2)脳血管障害
脳血管障害とは、脳出血や脳梗塞などの脳の血管障害が起こって出てくる痺れになります。
右脳と左脳という言葉がある様に、脳は左右で分かれています。
左脳に障害が起きると右半身、右脳に障害が起きると左半身に影響があらわれます。
この際に、痺れのみならず強い痛みが出る場合は脳の「視床」への障害も疑われます。
- 「背骨の問題」
(1)変形性頚椎症
変形性頚椎症というものは、骨の変形によりおこる症状になります。
骨というのは加齢により変形しやすく、その変形した首の骨が神経を圧迫して刺激し、痺れや麻痺、痛みや脱力などを引き起こします。
(2)椎間板ヘルニア
背骨の骨と骨の間には「椎間板」というクッションがあり、このクッションが身体にかかる重力の負担を軽減してくれています。
この椎間板に過度な負担や圧が加わり続けると、椎間板の中身が飛び出ます。
その飛び出た中身が神経を刺激して、痺れや麻痺、痛みや脱力などを引き起こします。
- 「末梢神経の問題」
(1)手根管症候群
手を動かすために正中神経という神経が存在するのですが、この神経は「手根管」という部分を通過しております。
手根管とは手首の手のひら側にあるトンネルになります。
過度に手首を使用したり負担や圧が掛かり続けると、手根管の中で正中神経が圧迫されやすくなります。
その症状がひどくなると手の痺れや痛み、運動障害を引き起こしやすくなります。
- 「内科的問題」
(1)糖尿病性神経障害
糖尿病による高血糖は毛細血管にも動脈硬化を引き起こします。
そうなってしまうと神経に栄養を送る血管内に血液が送られなくなり末梢神経が侵されて神経症状が出ます。
手足や足の指先に最初は痺れが出やすく、進行するにしたがって痛みにも変わります。
最悪の場合ですと足の壊死などによって切断しなければならなくなる可能性がある為、注意が必要です。
(2)「ビタミンの問題」
ビタミンの問題(欠乏)によっても痺れは引き起こされます。
好き嫌いの多い過度な偏食やアルコール依存、無理なダイエットなどにより、ビタミンB1、B12、葉酸などのビタミン欠乏を起こし、痺れなどの症状が起きたりします。
そして過度なビタミン欠乏は
痺れだけではなく、心不全やアルコール性認知症にもつながりますので、注意が必要です。
このように痺れといえど軽度のものもあれば、放置しておくと重大な症状に発展してしまうケースもあります。
当院では痺れを訴える患者様に対しては、必要に応じて腱反射、協調運動、温痛覚テストなどをはじめとした各種検査を細かくさせていただき、お身体の状態を把握させていただきます。
さらに自律神経の問題にも配慮した上で施術にはいらせて頂きます。
何かしらのお悩みがございましたら、一度当院にまでご連絡をいただければ幸いです。