突然ですが、「好転反応」という言葉をご存じでしょうか?
マッサージや整体など何かしらの施術を受けたことがある方は聞いたことがあると思いますし、言われたことがあると思います。
大まかに説明すると、治療後の身体が回復していくために一時的な不調が身体に現れる事です。
施術を受けた際に「何日かダルさが出るかもしれませんが、それは好転反応なので安心してくださいね!」など言われたりします。
とても説得力のある言葉です。
たしかに好転反応という言葉だけ聞くと、なんだかそれっぽくて納得してしまいます。
(身体がよくなっていくための反応なのかな?)と感じたりもします。
しかし、実は好転反応ではなく、揉み返しや外傷(ケガ)の場合も見受けられます。
そして、実は好転反応には科学的な根拠がないのをご存じですか?
では、根拠がないからと言って好転反応は嘘なんでしょうか?
今回は、そんな好転反応についての具体的な説明と、そのほかによく言われる「揉み返し」との違いについてご説明させて頂きたいと思います。
結論から言うと、好転反応は存在します。
事実、カイロプラクティックケアを行っても好転反応が出てくる場合があります。
そして、好転反応はおおまかに4つに分ける事ができます。
・弛緩反応
・排泄反応
・過敏反応
・回復反応
上記4つを順番にご説明させていただきます。
「弛緩反応」
弛緩反応とは筋肉をもみほぐし、またはその他の施術を受ける事により筋肉がほぐれる事で今まで患部に停滞していた老廃物が全身に巡る事をいいます。
症状としては倦怠感や発熱などがあります。
「排泄反応」
排泄反応は身体にたまった老廃物や毒素などを身体の外に出そうという動きの事です。
この反応は尿や汗、皮膚などに出るといわれております。
症状としてはニキビや発疹、尿の色が濃くなるなどです。
足つぼなどを行った際に尿が濃くなる場合がありますが、この反応が原因です。
この様な時は細かく水分補給をされることをおすすめします。
「過敏反応」
過敏反応は施術した場所に痒みや炎症などを引き起こす事です。
これは治療した患部に血液が流れ込んで細胞内で壊れた組織を作り変える為だと言われております。
施術後に身体がかゆくなる方は確かに多く、ほとんどの方が1日程度で改善します。
組織の回復のほかに、血流が流れる事で痒みを感じるとも言われております。
「回復反応」
回復反応とは、血流の流れが滞っていた(うっ血)部分が施術により改善される事で起きるとされています。
老廃物などが一気に体内に循環することで引き起こされる症状になります。
上記4つが好転反応の種類となります。
好転反応は一時的な反応であり、長くても3日程度だと言われております。
なのでそこまで心配する必要はないと思います。
しかし、好転反応と言われて、もそうではない事があります。
患者様とお話していても非常に多いです。
それが「揉み返し」と「外傷(ケガ)」になります。
好転反応と上記2つを混合させる治療家がとても多いです。
「この前〇〇いったら1週間くらい歩けなかったよ」というお話も耳に入ってきます。
今後、患者様がそうならないために上記2つについてしっかり説明させて頂きます。
「揉み返し」
揉み返しとは施術者による行き過ぎた負荷(揉んだり引っ張ったりする力が強すぎる)により引き起こされる症状になります。
これにより筋肉や筋膜を損傷し発熱したり、強い痛みが出たりします。
ひどいと施術後に立つことが困難になったり患部が内出血を起こしたりします。
身体は本能的に防御反応を起こしますので、痛めた患部を守ろうとします。
その際に筋肉が過剰に固くなりすぎて可動域制限や強い痛みが出たりします。
この様な症状が出たときは患部に炎症が起きている可能性がありますので温めるのはNGです。
まずは安静にされることをおすすめします。
※過去に患部を痛めた後、サウナに入ってストレッチをして次の日立てなくなった方がおられました。
「外傷」
揉み返しと似ている部分はありますが、いわゆるケガです。
発生機序は揉み返しと似ていて過度に物理的なエネルギーがぶつかることにより引き起こされます。
患部にもよりますが、ひどいと吐き気や頭痛、痺れなどが症状として現れます。
数日たっても改善しない場合はかかりつけの医師に相談するのも対策の一つとなります。
上記をわかりやすく分けてみると、好転反応の場合は
・身体がだるくなり、眠くなる
・全身が暖かい
・適度に発汗して火照る、などがあげられます。
揉み返しの場合は
・痛みが残る
・筋の緊張が強くなる
・頭痛、吐き気がする、などがあります。
では、カイロプラクティックケアはどうなのか?
答えは「術者による」という事です。
無理にボキボキと矯正を行えば関節が不安定になり筋肉が硬くなりやすくなります。
先ほどの防御反応と似たような理論です。
一時的に楽にはなりますが、あくまで「一時的」です。
たしかに、無理にアジャストメントを行わずとも、硬いサブラクセーションを除去した際には、一時的にふわふわしたり、眠くなることはあります。
しかし無理に関節をひねったりするようなことは、正しいカイロプラクティックでは100%行いませんし、ありえません。
上記内容を参考に、どこか治療院に行った際にお身体の反応を確認してみる事をおすすめします。
もし、何かほかにお悩みがありましたら、お気軽にご連絡いただければ幸いです。