むかしと比べ、「メンタルケア」という言葉を耳にする機会がふえました。
SNSの普及、情報の多さ、長時間労働など考えられる原因はたくさんあります。
最悪の場合、職場を長期休暇してしまったり、仕事をやめてしまう方もいます。
この様に、いろいろ理由はありますが、問題なのはがんばりすぎて“心が病む”ということ。
自殺者や精神病患者は増え続け今では深刻な社会問題になっております。
そして今回おはなしさせていただくのは「うつ病とカイロプラクティックについて」です。
うつ病患者は1994年には43万人とされていました。
現在では日本に約120万人以上いるとされており、心の不調を訴える方が多いです。
そんな中、カイロプラクティックケアを行っているとたくさんのお悩みを伺うことがあります。
「よるに寝ることができない」「なんだか意欲がわかない」「疲れが取れない」「好きな趣味に熱中できなくなった」「勝手に涙がでる」「身体が動かない」というお悩みをよく伺うのです。
いつ改善するかわからず、つねに不安が付きまとう状態です。
わたしも経験があるのですが、何かの原因で精神的に追い込まれたり、心が病んだりするのはとても辛いことです。
しかも、この感覚はあくまで主観的なものであって100%理解してもらえるものではありません。
この状況から逃げるために向精神薬の過度な服用をされる方もおられます。
それ以外に具体的な治療法はいくつも存在するのですが、実は正しいカイロプラクティックケアもうつ病改善のきっかけになるのをご存じですか?
先ほどはうつ病について「心が病む」という表現をさせて頂きました。
しかし、実は「脳の不調」なのです。
この記事を最後までご覧いただくと、うつ病と脳の関係について理解できます。
そして「うつ病」とうものにたいして冷静に判断ができます。
それだけでなく、セルフケアの幅も広がります。
では、まずは脳とうつ病の関係について説明させて頂きます。
先ほどもお話させて頂いたように、うつ病は心の病気ではありません。
脳のある部分の機能低下が原因となっております。
じつは、脳については今でもわからない部分が多いのが現状です。
そんな中、有力な説が2つ存在します。
それは「モノアミン説」と「神経可塑性(しんけいかそせい)説」になります。
では、順番に説明させていただきます。
モノアミン説
モノアミン説は1960年代から存在します。
これは脳内にある神経細胞の接続部でモノアミン(気分に関与する神経伝達物質の総称)の量が減少することが原因とされている説です、
神経可塑性説
神経可塑性(しんけいかそせい)説は2000年頃に新しく提唱された説になります。
神経可塑性説では過度なストレスによりBDNF(神経栄養因子)が減少し、これによりうつ病が発症するという事です。
BDNFとは神経細胞の栄養分の様な存在になります。
働きとしては、新しい神経細胞をつくったり、神経の成長を助けたりすることです。
このBDNFが減るとモノアミンの量も減ってしまい結果的に気分が落ち込みます。
ではうつ病にたいしてカイロプラクティックがどう改善のきっかけになるのかをご説明させて頂きます。
カイロプラクティックの観点から見てみるとうつ病と自律神経は非常に深く関与しております。
おおきくわけて以下3点になります。
・自律神経の乱れ
・サブラクセーション(ゆがみ)
これらがどう関係するのかを順に説明させて頂きます。
「自律神経の乱れ」
現在もうつ病に関しては不明な点が多く研究中でもあります。
しかし、そんな中でも自律神経はとても重要になってきます。
なぜなら、脳と自律神経は密接に関係しているからです。
先ほどモノアミン説でお話させて頂いたことですが、モノアミンの分泌量が充分でないとうつ病になりやすいと言われております。
モノアミンとは「セロトニン」「ノルアドレナリン」「ドーパミン」など気分に関与する神経伝達物質になります。
もちろん抗うつ薬でモノアミンの分泌を促し、改善を図る治療法もあります。
しかし、自律神経のバランスがうまく調整できないと投薬をおこなっても「完治」することはありません。
結局はただの「対症療法」でしかないのです。
なのでカイロプラクティックケアによって自律神経を調節し整えていく事がとても重要です。
「サブラクセーション」
自律神経が乱れる原因は本当にたくさんあります。
そんな中、カイロプラクティックの概念の中に「サブラクセーション」という概念があります。
この「サブラクセーション」を正しく除去することがとても重要なのです。
何度かコラムでお話してることですが、サブラクセーショが発生ていると身体に悪影響が出ます。
そして自律神経だけに影響が出るのではありません。
それ以外にもホルモンバランスや関節の可動域にも問題が出てきます。
なのでアジャストメント(矯正)によってサブラクセーションを正しく除去することが重要なのです。
うつ病の薬を服用しても改善が見られない方も中にはおられます。
今でも「何をすれば改善するのか?」と辛い症状に苦しんでおられる方がたくさんおられます。
一度、カイロプラクティックの観点からお身体を見てみる事をお勧めします。
お困りの方はお気軽にご連絡いただければ幸いです。
※今回説明が不十分だった自律神経とサブラクセーションについてのコラムはこちらからどうぞ

黄(ファン)のプロフィール
カイロプラクティック業界に携わり15年目になります。
これまで名古屋のカイロプラクティック専門学校、サンフランシスコへ解剖研修留学、大阪のカイロプラクティック専門学校(現在は閉校)を卒業し国際基準であるカイロプラクティック理学士(Bachelor of Chiropractic Science)を取得。
現在も様々なセミナーを受講し続けております。
「人が良くなるとはどういうことか?」を常に追求し続けるため、そして【日本に正しいカイロプラクティック】を普及する為に地元春日井にて「イネイトカイロプラクティックオフィス」を開院。
気になることがありましたらお気軽にコメントください。
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※カイロプラクティックについて知りたい方はこちらをどうぞ→【カイロプラクティックと整体の違い】
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